終活は、思い立った時がはじめ時、という話を前回しました。
「よし、わかった」となったとして、それでは、どう具体的に終活を始めるのか、
そのとっかかりについて、今回は考えてみましょう。

■この先、どんな生き方をしたいかを考える

どうも昨今の終活解説コンテンツは、技術的側面が先行しているような気がします。
やれエンディングノートを書けだの、遺産相続を考えろだの。
いずれも失敗しない終活のために必要なツールであったり、考え方であったりすることは間違いないのですが、そもそもの終活のスタートラインをどこにおくべきかが示されていないように感じています。

では、何がスタートラインとして“あるべき”か。
それは、『この先の人生を、どう充実して生きるかということをきちんと考える』ことだと思っています。
例えば、人生80年とすれば、今70歳のシニアの方であれば、余生はあと10年。しかし今時は、人生100年と言われていますので、70歳だとすると余生は30年もあります。
そもそも“終活”という文字づらに問題があると思っているのですが、「10~30年後の人生の終わりを考える」のが終活だと思われがちですが、それは違うと思います。
終活で大事なのは、先の例でいえば、この先の人生をどう生きれば充実するか、ということを考えることなのだと思います。
また例え話です。もしあなたに1億円の現金資産があって、平均余命から考えて、残る人生は10年だとします。多くの人が、遺産1億円をどう残すか、ということを考える。しかし、もしあなたが、10年かけて、豪華な世界1週旅行をする!!という目標を立てたなら、1億円をどう子どもたちに相続させるか、なんて考える必要はないのです。使ってしまう前提ですから。
筆者の知人で、こんな人がいました。現在65歳です。夫と2人の子どもがいます。子どもは2人とも男性。いずれも独身ですが、長男は40歳、次男は35歳です。彼女は、「自宅マンションを子どもたちに遺すつもりはない。現金貯金も同様。」と言っていました。
どうするのかというと、ある歳になったら、いまのマンションを売って、預金と併せて介護付き老人ホームの入居金に使う。月々の費用は年金で賄う。というのです。
子どもに老後の面倒を見てもらう気はない。そのかわり、財産を遺すこともしない。
いま彼女は日々の生活を楽しみつつ、終活としては、自分の資金力で入居でき、かつ月々の費用を支給される年金の額で十分に賄える施設を探すこと、ただそれだけです。
極端な例に聞こえるかもしれません。もちろん、子どもや孫に財産を遺してやりたいと考えるシニアを否定する気もありません。
ただ、終活において大切なのは、まずは「これからの生き方」についてしっかりとしたビジョンをもつことだとお伝えしたいのです。

■終活の本質とは、まず生き方を考えること

終活とは、そういうものです。終活のスタートラインとしては、まず「この先の人生の充実を考える」べきです。それがビジョンとしてまとまったら、万が一のことを考えて、転ばぬ先の杖を用意しておくようにします。その「転ばぬ先の杖」が、多くの人が考える“終活”でしょうか。
大事なのは、転ばぬ先の杖ばっかりじゃなくて、むしろ、転ばない今をどう充実させるか、だと思います。だから、「どう生きるか」「どう人生を充実させるか」が前段にあって、そこに向かって日々を充実させるために、『不安に思うことについても、整理しておきましょう』ということです。多くの終活指南コンテンツでは、この前段が語られずに、「お墓のこと」「お葬式のこと」「遺産相続のこと」と、自分が死んだ後のことばかりにフォーカスしています。
そんな終活では、気が滅入るばかりだと思いませんか?
私たち快活シニアドットコムでは、終活は、もっと楽しいものだと考えています。現役時代にできなかったことを、思いっきり楽しむ。まずは、その計画を作る。

■やりたい事をやれ、と言われても。。。

「リタイアメントしたら、やりたいことをやっていいんじゃないですか。」と言うと、多くのシニアは、「そんなお金はない」「やりたいことがない」とおっしゃいます。
こういう否定的な答えを返してこられる方は、往々にして、真面目な方が多いという印象があります。
「やるからには、きちんとやりたい、極めたい、成果(結果)を残したい」というお考えをお持ちだったりします。
たぶん、現役時代はとても優秀で、バリバリ仕事をして、どんな困難にもめげず、大きな成果を生み出してきたのでしょう。その成功パターンみたいなものを、リタイアメント後の人生にも適用しようとしてしまうようです。
でも、考えてください。そんな必要はありません。リタイアメント後の人生は、自分自身と、自分のごく身近にいる人たちと、どれほど楽しく過ごすか、がポイントで、別に成果はいりません。きちんとやる必要もありません。始めてみたが、うまくいかない、と思ったら、我慢して続ける必要はなく、やめてしまって良いのです。そして、また、新しい何かをやってみる。興味の向くままに。で、ダメなら、またやり直す。
「そんないい加減なことができるか!」みたいに思わないでください。それくらい、シニアライフは自由で良いのです。

■計画は見直すことを前提に

これからの人生をどう過ごすか、ということをまず考えますが、最初に決めたことを何が何でもまっとうする、みたいに考える必要もありません。
予定は未定。「あの時は、これでイケると思ったけど、意外にダメだった」なら、そこで、プラン変更です。ビジネス用語でいえば、ローリングプランの策定です。
プランを変更する必要が生じたら、変更すればいいのです。計画は見直すことを前提にすれば、緻密な計画を立てようとは思わないでしょう。
ざっくりした計画の方が、むしろ良いのです。

終活なんて、誰かに公開すべきものでもないし(ご夫婦で共有することはあると思いますが)、誰かと優劣を競うものでもないし、なんならやらなくてもよいものです。
時間がいっぱいできた。「自分に何かあったら」とちょっとだけ不安に思うことがあるので、「終活」してみようかなと思った。それがきっかけ。
でも考えるべきは、どう死ぬかではなく、どう生きるかだという。
自分はどう生きよう。何をすれば人生が充実するだろう。。。。
そんなざっくりした思いから、終活をスタートさせましょう。

終活といったって、ここ数年のブームみたいなものだし、あまり肩ひじ張らないで、好き勝手にかんがえることが、何よりも肝要です。